6日目 マウントフィールド散策 → 今晩の宿が無い!?

しょーいちです。
6日目の朝がやってきました。

Aster Private Hotel の朝食は、トーストやシリアルをセルフサービスで取っていくタイプでした。
十分満足したのですが、写真を撮るのをうっかり忘れていました。
トイレも共用だったのですが、清潔で誰かと鉢会うこともなく、快適に使用できましたよ!

さて、路上駐車が8時半までなので、少し早めにチェックアウトします。
予定ではいきなりマウントフィールド(Mt.Field) に行くつもりだったのですが、すこし時間が余ってしまいそうです。

そこで午前中は、ボロノン・ワイルドライフ自然保護区(Bonorong Wildlife Sanctuary)に行ってみたいと思います。

ここは、ホバートからマウントフィールドに行く日帰りツアーの後半によく設定されていて、人気の観光スポットだと思います。

ホバートの町からも近く、車で30分ほどで着きます。
着くはずなのですが…、

僕はなぜか、1時間半も運転しました。
確認をしてみると、Googleマップがかなり遠回りのルートを指定しています。
ナビに頼りきりじゃなく、自分の頭にもルートを入れておかないとダメですね。

さて、ここがボロノン・ワイルドライフ自然保護区です。

ボロノン・ワイルドライフ自然保護区
建物の向こうに敷地が広がっています。

一種の動物園みたいな所で、大人は30$ (約2500円)で入場と、カンガルーの餌をもらえます。
敷地は広めの運動場くらいで、様々な生き物が住んでいます。

まず正面に見えるのが、色鮮やかなインコ達。

とても仲睦まじい様子が覗えます。

カラフルな鳥

その隣には、白い大きなインコがいます。
そばを通ると、「How are you?」と鳴いたような気がしました。

大きなオウム

カンガルーは、いたるところにいます。
さながら、奈良公園の鹿のようです。

たくさんのカンガルー

エサを握って手を出すと、「くれるの?」とこっちを向きます。
僕は奈良公園での経験が多いので、「こういう感じかぁ」と納得できるのですが、未経験の人はすごく新鮮だと思います。

餌をねだるカンガルー

お腹のなかに子供がいるカンガルーもいました。
じっくり見てみたのですが、どういう風に折り畳まっているのか、検討もつきません。

カンガルーの親子

他にも、恐竜の名残を感じる大きな鳥が放し飼いになっていたり、

大きな鳥
僕の膝まで背がありました。

これが一番可愛かった!
ヨタカという、フクロウっぽい鳥が丸まって寝ていたりしていました。

可愛いヨタカ

そして、有名なタスマニアデビルです。
ちょうど餌やりの時間だったので、見学してみましょう。

タスマニアデビル

骨付きの生肉をばりばりと食べています。
時たま見える牙が、吸血鬼のように鋭くて、確かにデビルだと感じます。
…可愛さは、ちょっと少なめですね。

他にも、のそのそと歩く針ネズミ(もぐら?)や、

ハリネズミ

オーストラリアを代表するコアラ、

コアラ

色鮮やかな鳥達がたくさんいます。
まだまだ沢山いましたよ!

可愛い鳥たち
鳥好きにはたまらない場所ですね。

今回は参加しませんでしたが、動物と触れあえるツアーもあるみたいなので、動物好きにはハマる場所だと思います!

さて、一通り見て回ると昼前になりましたので、そろそろマウントフィールドへと出発です。

ところで、タスマニアの道を走っていると、本当に外国だと感じます。
日本では滅多に見られない光景が多いんです。

道路沿いに、よく馬が放牧されています。
最初は見るたびに興奮していました。

放牧された馬

他にも、草をはむ羊の群れや、牛も放牧されています。

放牧の牛
近くで見ると、めちゃくちゃ大きいです。

北海道だと見られるのかもしれませんが、僕は行ったことがないので、この雰囲気は初体験でした。

さて、そんな景色を横目に1時間ほど運転すると、マウントフィールド国立公園に到着です!

マウントフィールドの看板

まずは昼食をいただきましょう。
ビジターセンターで、タジーサンド (12$ 約1000円)というものを食べました。

ジャーキーのようなお肉が入っていて、コリコリと歯応えがよく美味しかったです。

ビジターセンターでの昼食

さて、今回は3つの滝を回る Three Falls というコースを歩きました。
地球の歩き方では健脚の人向けと書かれてあり、行程は6Km、約2時間ほどかかります。
完走できるか不安ですが、せっかく来たので挑戦してみましょう。

はじめは、舗装された歩きやすい道で、車イスの人でも楽しめるようになっています。
高い木々が生い茂り、直径が手を広げても届かないほどの大樹が倒れていたりと、大自然を感じます。

ラッセル滝への道

そして、天気に恵まれました!
これ、天気予報では降水確率90%だったんですよ。
なんという幸運!

雨の予報だったのに、晴れた!

10分ほど歩いてたら見えてくるのが、有名なラッセル滝(Russell Falls)です。

ラッセル滝

まわりの植物を通して見ると、日本では見られない風景を感じられます。
日本の雄々しい滝ではなく、どこか異国情緒を感じさせます。

さて、ここで折り返すと一番歩きやすい道なのですが、さらに山を登っていきます。

まず、先ほどの滝の上まで登ってきました。

ラッセル滝の上

見えにくいですが、滝の向こうは地平線までみえます。
見晴らしは最高です!

さて、ここから舗装された道から板畳へと変わり、しばらく歩きます。

10分ほど歩くと、第2の滝 Horseshoe Fallsが見えてきます。

Horseshoe Falls
小さな滝で、穏やかに水が弾ける音がします。

ここまで来ると観光客が少なくなるので、ゆったりと見られます。

さらに進むと、とうとう山道っぽくなります。
ハイキングをする人には歩きやすい道だと思いますが、 運動不足だったり靴が適切でないと、ちょっとしんどいかもしれません。

どんどん山道へ
地面が地道になってきます。勾配はさほどありません。

この道を30分ほど進むと、最後の滝 Lady Barron Falls に辿り着きます。

Lady Barron Falls

ここまで来る間、1度しか人とすれ違うことがなかったため、豊かな自然を独り占めしてる気分になります。

滝を眺める手すりには、様々な人の名前が書かれています。
ほとんど男女の名前とハートマークです。
すこし水を差された気分です…、滝だけに。

さて、ここからビジターセンターへは50分ほど歩いて帰ります。
途中、階段が続くところがあるので、これを登りきるのがちょっとしんどいですね。

難所の階段
10分ほど続くこの階段が、一番の難所です。

一人旅でハイキングをすると、色々考え事ができていいですね。

僕は日本でハイキングする時に、「山道を歩いていると、異世界に続く扉が現れたらいいな」なんて考えながら歩きます。

中二病といいますか、オタクなのです。

他にも、目をつぶって歩いて、瞼を開けたら全然知らない場所にいるとか。

今回も、そう考えながら歩いていました。

すると、ふと、

「もう異世界にいるじゃん」って、気付かされます。

魔法も剣もありませんが、言葉も通じず、持ち物は手持ちのものだけ。

インターネットに繋がる海外旅行をしていると、ここが日本の延長線上のように感じていましたが、
「海外旅行って、異世界へ探検することなんだなぁ」と、妙に納得します。

自分なりの海外旅行に対する姿勢が、でき始めた瞬間だと思います。

そんなことを考えてると、知らぬ内にビジターセンターに帰り着いてました。

旅行中に張り詰めていた緊張の糸が、なんだか緩んだ気がします。
ストレスも無くなって、気分爽快です!

さて、ではお宿に向けて出発です。
今回はきっと宿泊する人は少数派であろう、ハミルトンという町のお宿を予約しています。
地球の歩き方でも、ほんの数行しか紹介されていない、小さな町です。

マウントフィールドを出て車を走らせると、すごい田舎道に繋がります。

湖のそばも走るのですが、地平線の向こうまで綺麗に見えるのです。
思わず路肩に車を停めて、湖に駆け寄ります。

綺麗な湖
180度まるっと蒼い湖です!

ハミルトンへ続く道は、僕のお気に入りになりました。
ずっと走っていたくなりますが、そろそろ目的地に到着してしまいそうです。

さて、本日のお宿は Hamilton INN というお宿です。

https://www.hamiltoninn.com.au/

Hamilton inn
朝食付きで85$(約6500円)で泊まれます。

ただ、チェックインをしようと声をかけると、

「ごめんなさい、今日は泊まれないの。あなたに何度も電話したのですけれど…」

と言われ、急に怖くなります。
確かに、予約時の電話番号は日本のものだったので、こちらに来てからは繋がらなかったはずです。

つまり、今日泊まる宿が無い…。
スマホで宿を検索をしてみますが、近くに当日の宿は見つかりません。
最悪、野宿も視野に入ってきます。

しかし、僕が宿に困っていることを伝えると、宿の主人が探してくださって無事に宿泊先が見つかりました。

それが、CHERRY VILLA B&B というお宿です。

CHERRY VILLA B&B

調べてみると、Airbnb に登録されていました。
宿の主人も、突然の宿泊に嫌な顔せず迎え入れてくださり、本当に感謝しています。

部屋も綺麗で、居心地が良かったです!

談話室にはティーバック類が揃えられており、なんと、暖炉がありました!
暖炉って憧れますよね!

荷物を置いたら、少し辺りを散策します。
宿を出てすぐの向かいが、この景色です。

地平線の向こうまで続く、広大な草原
胸いっぱいに、草の香りが広がります。

地平線の向こうまで続く、広大で豊かな草原。

もう、地べたに座って、風に触れてボーッとしてると、自然に溶けてしまいそうになります。
タスマニアに来て、個人的には1番好きな景色でした。

モンゴロイドの血が騒ぐというか、憧れた草原に辿り着いた瞬間です。
人生に疲れたら、またここに来よう。
そう強く思いました。

道路を渡るときは注意が必要で、ここは制限速度が100㎞だったりします。
ただ、車通りがすくないので、左右を見ていれば大丈夫です。

田舎道でも時速100キロ
日本だと50km/h制限くらいの道です

ちなみに、100km/h は意外と普通だったりします。
もっと整備された道だと110km/h 制限だったりします。

さて、日が暮れる前に晩ごはんを食べに行きましょう。
お宿の近くに Jackson’s Emporium というカフェがあるので、こちらでいただきます。

何がおすすめですか? と伺うと、
「今日は自家製スープとカレーがおすすめだよ!」
と仰るので、カレーとマッシュルームのスープ、レモンケーキのスライスのようなデザートに紅茶を添えて、全部で約30$(約2400円)でいただきました。

ハミルトンでの晩飯
カレーは甘口で親しみやすい味でした。

一番驚いたのがスープです。
マッシュルームのスープを初めて飲んだのですが、これがすっごいマッシュ感!
マッシュルーム好きの僕にはたまらない味です!

濃厚なマッシュすぎて、もう本当にマッシュか分からなくなるほどに、マッシュです!

…すみません、興奮しました。

カレーもコクがあって美味しく、デザートのケーキもさっぱりとした甘さで、注文して正解でした。
紅茶をすすり、舌の上で色々な味が踊るように広がるのを楽しみました。

ハミルトンは有名な観光地ではないし、きっとホバートやロンセストン(タスマニア第2の都市)の方が、見るものはたくさんあると思います。

でも僕は今、この旅行のなかで一番気に入っているのは、このハミルトンです。
視界いっぱいの草原、自然を感じる草木やそよ風。
秋は紅葉も楽しめ、黄色い葉っぱがキラキラと舞っています。

もし人生で2度目のタスマニア旅行があるとしたら、またハミルトンに来ます!

また明日!