Zenfone Zoom S の画面故障を修理してみた3(トラブル編)

前回の記事で、Zenfone Zoom S の画面取り換え修理の方法を記載しました。
その過程で何度かトラブルに見舞われたので、困ってる人の参考になればと思います。

ねじ山が潰れて、ネジが取れなくなった!

ネジを下手に回し過ぎて、ねじ山が削れて取れなくなってしまいました。

ぐりぐり回そうとすると、こうなります。

なめてしまったネジを外す方法はいくつかありますが、スマホなので「インパクトドライバー」で力技に頼ったり、ネジ外し剤などの液体物は使用できません。

なので、まずは輪ゴムから使ってみました。

普通の輪ゴムでも、軽度の削れ具合なら回るかもしれません。

ドライバーとネジの間に輪ゴムを挟ませて、摩擦力をアップさせる作戦です。
しかし、これはねじ山が若干でも残っていた場合に有効です。
僕みたいにグリグリした後ではネジを外すことは不可能でした。

となると、もう最後の手段しかありません。

ネジごと、ぶっ壊します。

使ったのは小さな穴を空ける「ピンバイス」という道具です。
加えて、様々な径がセットになったドリルセットも購入します。

あとは、ピンバイスにドリルを装着して、コリコリと削っていきます。
かならず、小さな径のドリルから試して作業してください。
ネジ穴が削れて無くなったら、もう2度とネジは付きません。

ネジだけを壊すように、少しずつ削っていきます。

僕は最初、0.5ミリのドリルで削っていたのですが、全然進まなくて最終的には0.8ミリで削ってました。
ただ、力加減で「パキッ」とか基盤から聞こえるので、マジで怖かったです。

少しずつ掘り進めて、ようやくネジに穴が空き切りました。
ネジの破片を取り除けば、完成です。

壊したネジの代わりは、昔のスマホを分解して適当に付けました。

ネジを壊すのはめっちゃ大変なので、ドライバーを扱う際は力加減に注意してください。

ちなみに、KTCのホームページに載っていた力配分の説明が分かりやすかったです。

引用 KTCホームページより https://ktc.jp/kiso/lesson/screwdriver.html

イアスピーカーから音が鳴らない

これは修理編でも書きましたが、イアスピーカーには上下があります。
これを間違えるとスピーカーから音が鳴りません。

ちなみに、イアスピーカーの部品にはコードが何も接続されていません。
新品のイアスピーカーを注文すると、こんな小さな部品だけが送られてきます。

左右の針金を上げて使用します。あと、真ん中は磁石になっています。

しかしケーブルで接続しないとすると、スピーカーはスマホからどうやって音を鳴らす信号を受け取っているのでしょうか。

答えは、基盤の裏側にあります。

スマホの基盤の裏側を見ると、上部に金色の金属部が2ヶ所ありました。
ここにイアスピーカーの針金が当たることで、電気信号がコイルに伝わって音が鳴ります。

でも、こんな小さな部品なのだから、上下くらい間違えても金属部に当たりそうではないですか?

下写真で先ほどの写真と、僕が間違えて設置した写真を比べてみました。

逆にイアスピーカーを設置してしまうと、針金が基盤の上端へ向かってしまいます。

微妙に合わなさそうですね。
僕はこの事に気がつくまで5回ほど組み立てと分解を繰り返しました。
スピーカーも壊れて、再度発注したりと大変でした…。

ホームボタン等の操作が効かない。

これの原因はいたって簡単。
コネクタがしっかりと刺さってませんでした。

原因のコードはコレ。

この細いケーブルがホームボタンなどの信号を送っています。

このケーブル、端子の部分がテレビの同軸ケーブルみたいな形状で、しっかり刺さってないと不具合を起こします。
丁寧に差し込むことで、難なく解決できました。


さて、数々のトラブルを乗り越えて修理をしてきましたが、そのメリットはあったのでしょうか?

修理にかかった費用ですが、
新しい画面が4130円、修理道具の購入に約4500円で、計8630円でした。
修理店では20000円と言われたので、約1万円ほどお得に修理できたと思います。

ただし、修理した後も画面下部に線が残ったり、画面の接着面が弱くなったりと、ボロい雰囲気はぬぐえませんでした。
あくまで趣味の範囲で楽しむのが良いと思います。

「スマホを自分で修理しよう!」という人にとって、この記事が助けになれば幸いです。

では!